クリスマスといえば、ケーキにプレゼント、イルミネーション……。でも、それだけじゃない?クリスマスにまつわる意外な雑学、知ってる?
クリスマスといえば、キリストの降誕を祝う宗教的な行事ですが、日本では恋人や家族と過ごすイベントとしての側面が強く、多くの人々から親しまれています。
そんなクリスマスにまつわる雑学、みなさんはいくつ知っていますか?
サンタクロースがトナカイのソリに乗っている理由
クリスマスといえば、サンタクロースとトナカイのソリですよね。でも、なぜトナカイがソリを引いているのでしょうか?
クリスマスの代名詞とも言えるサンタクロース。そのソリを引いているのは、なんとトナカイなんです。でも、なぜトナカイなの?そもそも、トナカイってどんな動物なの?
トナカイは、北欧やシベリアなどの寒冷地に生息する動物です。オスには角があり、冬になると白い毛が生えます。また、とても力持ちで、雪の上でも滑りにくいように、パーの形をしたヒヅメを持っています。
トナカイがサンタクロースのソリを引くようになったのは、1822年にアメリカで出版された詩「聖ニコラスの訪問」で、サンタクロースのソリがトナカイ8頭で引かれていることが描かれたことがきっかけといわれています。
この詩は、すぐにアメリカで人気となり、その後、ヨーロッパにも広まりました。そのため、トナカイがサンタクロースのソリを引くイメージが定着したのです。
また、トナカイは、北欧やシベリアなどの寒冷地で暮らしている動物であることから、冬の寒さにも耐えられる動物として、サンタクロースのソリを引くのに適しているというイメージもあります。
このように、トナカイがサンタクロースのソリを引くようになったのは、歴史的な背景や、トナカイの特徴などの理由から考えられます。
クリスマスツリーの起源、実はキリスト教とは無関係?
クリスマスツリーといえば、クリスマスの象徴として、世界中で親しまれています。しかし、その起源は、実はキリスト教とは無関係だったのをご存知でしょうか。
クリスマスツリーの原型は、かつて北欧に住んでいた古代ゲルマン民族が、冬至の祭りである「ユール」で使用していたカシの木と言われています。ユールは、太陽の再生を祝う祭りであり、カシの木は冬でも緑を保つことから、永遠の生命力を象徴するものとして用いられていました。
その後、キリスト教がヨーロッパに広まるにつれて、カシの木に代わりにモミの木が使われるようになりました。モミの木は、横から全体を見ると三角形になっているという特徴があります。三角形はキリスト教において三位一体(父・子・聖霊)を表す重要な意味を持っており、キリスト教の象徴としてモミの木が使われるようになったのです。
また、モミの木は冬でも緑を保つことから、キリスト教においても永遠の命を象徴するものとして考えられるようになりました。
ドイツでは、1419年にフライブルクのパン職人が初めてクリスマスツリーを飾ったという記録が残っています。その後、1600年頃になると、ドイツ各地方でクリスマスツリーを飾る風習が一般化しました。
現在では、カシやモミに限らず、クリスマスツリーに使用される木の種類は様々です。しかし、クリスマスツリーの起源は、永遠の生命力を象徴する木々を飾る、古代ゲルマン民族のユール祭にあったのです。
日本ではじめてのクリスマスはいつ?
日本で初めてクリスマスが祝われたのは、1552年(天文21年)の12月25日、山口県の山口市でのことでした。このとき、イエズス会の宣教師フランシスコ・ザビエルが、日本人信徒を招いてキリストの降誕祭のミサを行ったのです。
ザビエルは、1549年にポルトガルから来日し、キリスト教の布教に尽力しました。彼は、山口の守護大名・大内義隆の許可を得て、山口に布教拠点を設けました。そして、1552年に、日本人信徒が20人ほど集まったのを機に、初めてクリスマスのミサを行ったのです。
このミサには、大内義隆も出席したと言われています。義隆は、キリスト教に興味を持っており、ザビエルの布教を支援していました。
ザビエルによるクリスマスのミサは、日本におけるキリスト教の布教に大きな影響を与えました。その後、日本各地でクリスマスのミサが行われるようになり、徐々にクリスマスが広まっていきました。
明治以降のクリスマス
明治時代になると、日本の社会は大きく変わりました。西洋文化が流入する中で、クリスマスも一般の人々に広まるようになりました。
1874年(明治7年)には、東京の築地居留地にある学校で、日本人による初めてのクリスマス会が開かれました。このクリスマス会は、原胤昭(はら・たねあき)が主催したもので、日本人と外国人の子どもたちが一緒に楽しんだと言われています。
1900年(明治33年)には、東京の銀座で、明治屋がクリスマス向けの商品を販売し始めました。これにより、クリスマスが一般の人々にも身近なものになっていきました。
その後、第二次世界大戦後になると、クリスマスはさらに一般化し、日本では最も人気のあるイベントの一つとなりました。現在では、クリスマスツリーやイルミネーションなど、クリスマスを彩る光景が日本各地で見られます。