便秘って、お腹が張って不快なだけでしょ?と思っていませんか?実は、便秘は命に関わることもあるんです!
便秘は、食生活や生活習慣の改善で解消できる場合もありますが、原因によっては病院での治療が必要になります。
今回の記事では、便秘のメカニズムと特徴・原因、予防について解説していきますので気になる方はチェックしてみて下さい。
便秘のメカニズム
便秘とは、排便が困難で、排便間隔が長く、便量が少ない、または硬い状態を指します。
大腸のぜん動運動の低下
大腸は、蠕動運動と呼ばれる波状運動によって、便を肛門へと送り出します。このぜん動運動が低下すると、便が長時間大腸にとどまり、水分が過剰に吸収されて便が硬くなります。
排便反射の低下
直腸に便が溜まると、大脳に排便反射が起こり、便意を感じます。排便反射が低下すると、便意を感じにくくなり、便を排出するタイミングを逃してしまいます。
大腸のぜん動運動の低下
大腸のぜん動運動は、腸管の筋肉の収縮によって起こります。この筋肉の収縮は、自律神経によってコントロールされています。自律神経は、交感神経と副交感神経の2つから構成されていますが、便秘の場合には、交感神経が優位になり、ぜん動運動が低下すると考えられています。
交感神経が優位になる原因としては、ストレス、運動不足、睡眠不足、服薬などが考えられます。また、妊娠や出産、更年期などのホルモンバランスの変化も、交感神経を優位にする要因となります。
排便反射の低下
排便反射は、直腸壁の伸張によって起こります。直腸壁が伸張されると、直腸内にある神経が刺激され、大脳に排便反射が伝わります。
排便反射が低下する原因としては、便意を我慢する習慣、排便時のいきみすぎなどが考えられます。また、高齢者や寝たきりの人は、排便反射が低下しやすい傾向にあります。
便秘を防ぐための5つのポイント
便秘は、排便が困難で、排便間隔が長く、便量が少ない、または硬い状態を指します。便秘は、生活習慣の改善や薬の服用によって、改善できることが多い病気です。
便秘を防ぐための5つのポイントは、以下のとおりです。
毎日決まった時間に排便する
便意を感じたら、我慢せずに排便しましょう。排便のタイミングを逃すと、便が硬くなり、排便が困難になる可能性があります。
適度な運動をする
運動不足は、便秘の原因となります。1日30分程度のウォーキングやジョギングなどの有酸素運動を心がけましょう。
有酸素運動とは?
有酸素運動とは、筋肉への負荷が比較的軽く、長時間継続できる運動のことです。ウォーキング、ジョギング、サイクリング、水泳、エアロビクスなどが代表的な有酸素運動です。
有酸素運動は、酸素を多く取り入れて、体内の糖質や脂質をエネルギーとして利用する運動です。そのため、脂肪燃焼や心肺機能の向上、ストレス解消などの効果が期待できます。
有酸素運動の効果は、以下のとおりです。
- 脂肪燃焼
- 心肺機能の向上
- 筋力アップ
- 骨密度の向上
- 免疫力アップ
- ストレス解消
有酸素運動は、週に150分以上行うことが推奨されています。また、ウォーキングやジョギングなどの軽い運動から始め、徐々に運動強度や時間を上げていくとよいでしょう。
有酸素運動を行う際は、以下のことに注意しましょう。
- 無理をしない
- ウォーミングアップとクールダウンをしっかり行う
- 水分補給をこまめに行う
有酸素運動は、健康維持や生活習慣病の予防に効果的な運動です。ぜひ、毎日の生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。
以下に、有酸素運動の具体的な例をいくつか挙げます。
- ウォーキング:15分以上を目安に、ゆっくりと歩く
- ジョギング:20分以上を目安に、ゆっくりと走る
- サイクリング:30分以上を目安に、ゆっくりと漕ぐ
- 水泳:30分以上を目安に、ゆっくりと泳ぐ
- エアロビクス:30分以上を目安に、軽い運動から始める
ご自身の体力や目的に合わせて、無理のない範囲で始めましょう。
水分を十分に摂る
水分が不足すると、便が硬くなり、排便が困難になる可能性があります。1日1.5~2リットルの水分を摂るようにしましょう。
食物繊維を多く摂る
食物繊維は、便の量を増やし、腸を刺激して排便を促します。野菜、果物、きのこ、海藻、全粒穀物などに多く含まれています。
便秘薬を服用する
便秘がひどい場合には、便秘薬を服用するのも一つの方法です。ただし、便秘薬はあくまでも対症療法であり、根本的な改善にはなりません。
便秘は、放置しておくと、痔や腸閉塞などの病気につながる可能性があります。便秘に悩んでいる方は、上記のポイントを参考に、早めに対策をとりましょう。
まとめ
便秘とひと口に言っても、原因や症状、対処法はさまざまです。
自分は便秘かも知れないと感じたら、まずは原因を突き止めて正しいケアを行うことが大切です。
いずれも腸内環境が悪化している場合は、普段から腸内細菌のバランスを整える生活習慣を心がけてみることから始めてみましょう。