カレーといえば、辛くておいしい料理ですよね。でも、実は、カレーには、意外な「健康効果」もあるんです。
カレーには、以下の健康効果が期待されています。
- 抗酸化作用
カレーのスパイスには、抗酸化作用を持つものが多く含まれています。抗酸化作用とは、細胞を老化や酸化から守る作用のことです。
- 美白作用
カレーのスパイスには、メラニンの生成を抑制する作用が期待されています。メラニンは、紫外線やストレスなどの刺激によって生成される色素です。メラニンが過剰に生成されると、シミやそばかすなどの原因となります。
- 抗炎症作用
カレーのスパイスには、炎症を抑える作用が期待されています。炎症は、肌荒れやニキビなどの原因となります。
- 免疫力アップ
カレーのスパイスには、免疫力を高める作用が期待されています。免疫力が高まることで、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりにくくなります。
- 便秘解消
カレーの食物繊維は、腸内環境を整えて便秘解消に役立ちます。
このように、カレーには、さまざまな健康効果が期待されています。ぜひ、毎日の食事にカレーを取り入れて、健康を維持しましょう。
カレーの「2日目」の美味しさの秘密と注意点
カレーは、作りたてよりも、ひと晩寝かせた翌日の方がおいしいと感じる人も多いのではないでしょうか。その理由は、野菜や肉などの具から溶け出す「うま味のもと」が増えるから。しかし、スパイスの香りや食中毒のリスクなど、注意点もあります。
カレーの「2日目」の美味しさは、野菜や肉などの具から溶け出す「うま味のもと」が増えるためです。昆布のダシやパルメザンチーズなどに多く含まれる「グルタミン酸」をはじめ、果糖などの糖分もルーの中に溶け出します。同時に、とろみを増すでんぷんや繊維質もルーの中に溶け出し、うま味ととろみを備えた、マイルドな「コク」が生まれるのです。
また、カレーの「2日目」は、スパイスの香りも落ち着き、まろやかな味わいになります。ただし、カレーに含まれるスパイスの中には、熱を加えることによって香りや成分が損なわれてしまうものもあります。長時間煮込んだり、2日目のカレーを再加熱することによって香りが薄まるため、スパイス本来のシャープな香りをカレーに求める方は、「2日目のカレーの美味しさ」がピンとこないかもしれません。
カレーの「2日目」の美味しさを楽しむためには、冷蔵庫で保存することが大切です。カレーは、ウエルシュ菌食中毒のリスクがあります。ウエルシュ菌は、土の中や水中など自然界に広く存在しており、カレーの具材であるジャガイモやニンジンなどの根菜や、牛や鶏などの動物から付着することもあります。
作りたてのカレーは、熱によってウエルシュ菌が死滅しているため、ほぼ問題ありません。しかし、一部のウエルシュ菌は生き延びるために芽胞という殻を作り、その中で休眠状態となります。これが、カレーをひと晩寝かせることによって休眠を解き、増殖してしまうと危険です。空気に触れると増殖しないタイプの菌なのですが、カレーやスープなど液状の料理の場合、鍋底のほうは空気に触れず、増殖の危険性が高まります。特に、大きな鍋で大勢の食事を作るときに起こりやすい食中毒です。
そのため、カレーをひと晩寝かせる場合は、必ず冷蔵庫で保存し、食べる前には必ず再加熱するようにしましょう。再加熱する際は、中心部までしっかりと加熱することが大切です。
カレーの「2日目」は、野菜や肉などの具から溶け出した「うま味のもと」が増え、マイルドな「コク」が生まれるため、美味しくなります。ただし、スパイスの香りが落ち着き、食中毒のリスクもあるため、注意が必要です。カレーをひと晩寝かせる場合、必ず冷蔵庫で保存し、食べる前には必ず再加熱するようにしましょう。
カレーの日本上陸と普及
カレーは、今や日本の国民食として、老若男女問わず愛されています。しかし、日本でカレーが初めて紹介されたのは、明治時代のことです。当時のカレーは、どのようなものだったのでしょうか。また、どのようにして日本の食卓に定着したのでしょうか。
日本で初めてカレーが紹介されたのは、明治5年のことでした。敬学堂主人なる人物が著した「西洋料理指南」や、仮名垣魯文が著した「西洋料理通」などのレシピ本に、カレーの作り方が掲載されました。
これらのレシピによると、当時のカレーは、鶏肉や海老などの具材に、小麦粉でとろみをつけ、カレー粉やトマト、リンゴなどの酸味のあるものを加えて作られていました。また、具材に「赤蛙」が使われていたり、レシピがイギリスから伝播したためにインドでは使わない「小麦粉」でとろみをつけたりなど、現代のカレーとは異なる点も多くあります。
しかし、当時はカレー粉が輸入品しかなく、庶民の手にはなかなか渡らなかったため、カレーは家で作るものではなく、あくまでも外食として広まっていきました。
明治10年には、東京の「風月堂」が日本で初めて「ライスカレー」をメニューに加え、同時期に、クラーク博士の推奨により、札幌農学校の寮の食事としてライスカレーが出されるようになりました。
カレーが「脱・外食」となるきっかけが生まれたのは、明治38年のことでした。初めて国産のカレー粉が製造・販売されたのです。売り出したのは大阪の「今村弥(現在のハチ食品)」。当時は食品会社ではなく、生薬を扱う薬種問屋でした。
ウコンをはじめとした生薬に精通した同店が研究を重ねて編み出した国産のカレー粉は、「洋風どんぶり、うちでもつくれまっせ!」という宣伝文句と共に人気を博し、カレーが家庭の食卓に上るようになりました。ちなみに、カレーでお馴染みのハウス食品は、大正2年の創業当時は「浦上商店」という薬種問屋でした。
このように、カレーは明治時代に日本に紹介されて以来、外食として広まった後、国産のカレー粉の登場により、家庭の食卓にも定着していきました。そして、今や日本の国民食として、老若男女問わず愛される料理となったのです。