生薬って、何だか難しそうって思ってる？でも、実は身近にあるものもたくさんあるし、意外と簡単に使えるものも多いんだよ。
例えば、ニンジンは風邪の予防や疲労回復に効果的って知ってる？でも、生のまま食べると吸収率が低いから、炒めたり煮たりして食べた方が効果的なんだって。
他にも、ウコンは肝機能の改善や美白効果があるとされているし、クコの実は免疫力アップやアンチエイジングに効果があるとされているよ。
今回は、そんな生薬の意外な効能や使い方をいくつか紹介するね。
生薬から生まれたモルヒネの意外な歴史
生薬は、薬用植物や鉱物、動物由来の生産物を原料とする伝統的な医薬品です。一方、医薬品は、化学合成や生物学的製法などによって製造される現代的な医薬品です。
生薬は、天然由来のもので、安全性や副作用が比較的少ないというメリットがあります。一方、医薬品は、効果が強く、効率的に治療を行うことができます。
このように、生薬と医薬品は、それぞれにメリットとデメリットがあります。
そんな生薬と医薬品の境界線を曖昧にしているのが、モルヒネです。
モルヒネは、ケシの実から抽出される成分の化合物です。ケシといえば、アヘンの原料として知られています。
アヘンは、古代ギリシア時代から鎮痛薬として使用されてきました。また、シェークスピアの『オセロ』にも、熟睡のためにアヘンのシロップを飲むシーンが出てきます。
しかし、アヘンには強い中毒性があるため、乱用や依存に注意が必要です。
モルヒネは、アヘンの成分のひとつですが、アヘンよりも中毒性が低く、安全に使用できる医薬品として開発されました。
モルヒネは、がんの疼痛や手術後の疼痛など、さまざまな痛みの治療に使用されています。また、鎮咳薬や下痢止めとしても使用されています。
モルヒネは、生薬から生まれた、医薬品と生薬の両方のメリットを兼ね備えた薬物です。
様々な生薬を摂取できる料理〜 カレー
カレーは、世界中で愛されている国民食のひとつです。日本でも、家庭料理としてはもちろん、外食でも人気のメニューです。
カレーの魅力は、なんといってもそのスパイシーな味わいです。しかし、カレーは単においしいだけでなく、健康にも良いと言われています。
カレーの材料には、さまざまな生薬が含まれています。代表的なものに、ターメリック、クミン、コリアンダー、ジンジャー、チリペッパーなどがあります。
これらの生薬には、さまざまな健康効果が期待されています。ターメリックには、抗酸化作用や抗炎症作用があり、クミンには、消化促進作用や便秘解消作用があります。コリアンダーには、抗菌作用や抗アレルギー作用があり、ジンジャーには、血行促進作用や疲労回復作用があります。チリペッパーにはアドレナリンの分泌を促進する作用があり、発汗や体温上昇を促すことで、新陳代謝を高める効果が期待されています。
つまり、カレーは、スパイスの刺激で食欲を増進させるだけでなく、生薬の健康効果で、体を内側から元気にしてくれると言えるのです。
具体的には、カレーには以下のような健康効果が期待されています。
- 血行促進による冷え性や肩こりの改善
- 消化促進による便秘の解消
- 抗酸化作用による老化防止
- 抗炎症作用によるアレルギーや風邪の予防
- 免疫力アップによる病気予防
もちろん、カレーを健康のために食べるのであれば、市販のカレールウではなく、自分でスパイスを調合して作るのがおすすめです。市販のカレールウには、化学調味料や保存料が添加されているものも多く、健康にはあまり良くありません。
また、カレーは油脂が多く、カロリーも高めです。食べ過ぎると、肥満や高血圧の原因になるため、食べ過ぎには注意しましょう。
適量のカレーを、健康に配慮して食べることで、よりおいしく、より健康的に、カレーを楽しむことができます。
生薬の定義とは？ 薬用植物との違い
生薬とは、薬用植物のほか、鉱物、動物由来の成分を、乾燥、蒸す、煎じるなどの簡単な加工を施して、薬用に用いられるものを指します。
一方、薬用植物とは、生薬の原料となる植物のことです。
生薬と薬用植物の違いは、加工の有無です。生薬は、薬用植物を加工したものであり、薬用植物は、生薬になる前の状態の植物です。
生薬は、漢方薬の構成成分として用いられています。漢方薬は、生薬を組み合わせて処方される医薬品です。
生薬には、さまざまな効能があり、風邪やインフルエンザ、胃腸炎、高血圧、糖尿病、更年期障害などの治療に用いられています。
生薬は、自然由来のもので、副作用が少ないのが特徴です。しかし、体質や症状によっては、副作用が出ることもあります。そのため、生薬を服用する際には、医師や薬剤師に相談することをおすすめします。
なお、生薬は、サプリメントや健康食品などにも配合されています。ただし、サプリメントや健康食品は、医薬品ではないため、効果や安全性については、十分に確認してから使用するようにしましょう。
生薬の分類
生薬は、主に以下の3つの分類に分けられます。
- 植物性生薬：薬用植物の根、茎、葉、花、果実、種子など
- 動物性生薬：動物の体内から得られる成分や、動物の体から分泌される分泌物など
- 鉱物性生薬：鉱物や岩石など
植物性生薬は、最も多く用いられる生薬です。代表的なものに、漢方薬の四君子湯（しくんしとう）に配合される人参（にんじん）、甘草（かんぞう）、茯苓（ぶくりょう）、白朮（びゃくじゅつ）などがあります。
動物性生薬には、鹿茸（らんじょう）や海馬（かいば）などがあります。鹿茸は、鹿の角の芯の部分で、滋養強壮や疲労回復に効果があるとされています。海馬は、サメの脳の一部で、記憶力や集中力の向上に効果があるとされています。
鉱物性生薬には、石膏（せっこう）や硫黄（いおう）などがあります。石膏は、発汗や解熱に効果があるとされています。硫黄は、皮膚病や関節炎などの治療に用いられています。
生薬の歴史
生薬は、古くから人々の健康維持や病気の治療に用いられてきました。
中国では、紀元前2000年頃に編纂された「神農本草経」に、多くの生薬が記載されています。この「神農本草経」は、中国の薬学書の基礎となった書物です。
日本では、奈良時代に中国から生薬が伝来しました。その後、平安時代には、生薬の栽培や加工が盛んになり、漢方薬の研究や開発が進みました。
江戸時代には、生薬の輸入が禁止され、日本独自の漢方薬の研究や開発が進みました。
現在、生薬は、世界中で用いられています。
