もうすぐお正月ですね。お正月といえば、年越しそばや除夜の鐘、カウントダウンなど、さまざまな風習があります。
でも、そんなお正月の風習にまつわる雑学って、意外と知らない人も多いのではないでしょうか。
そんなお正月の雑学を知ることで、新年をもっとおもしろく、充実させることができますよ。
「あけましておめでとう」の意味、知ってる?
「あけましておめでとう」は、新年のあいさつとして、誰もが一度は聞いたことがある言葉です。しかし、その本当の意味を知っている人は、意外と少ないのではないでしょうか。
実は、「あけましておめでとう」は、神様に対する祝福の言葉なのです。年が明けて歳神様を迎える際に、感謝の言葉を述べることによって、新年を喜びあうための挨拶です。
「あけまして」は、「年が明けて」という意味で、「おめでとう」は「祝福する」という意味です。つまり、「あけましておめでとう」は、言い換えると「年が明けて、歳神様を迎えることができて、本当にうれしい」ということになります。
また、メールやSNSで新年のあいさつをする際には、「新年あけましておめでとうございます」と書く人も多いですが、これは「新年」と「あけまして」が重複しているため、正しくは「新年おめでとう」となります。
さらに、「元日」と「元旦」の違いも知っておきましょう。
「元日」は「1年の最初の日=1月1日」を指し、「元旦」は「1月1日の朝」を指します。
「元」はどちらも「はじめ」を意味する言葉ですが、「旦」は「日」が朝日で、「一」が地平線を表しており、朝日が地平線から上る様子を表した漢字です。
そのため、「元旦の朝」と言うと、「元日の朝の朝」という重複した意味になってしまうので、注意しましょう。
このように、「あけましておめでとう」には、神様への感謝と、新年を喜び合うという意味が込められています。今年は、そんな意味を込めて、周囲の人々に新年のあいさつをしてみてはいかがでしょうか。
正月にはお年玉をもらえる理由
正月といえば、お年玉をもらう楽しみがあります。でも、どうして正月にはお年玉をもらえるのでしょうか。
その理由は、大きく分けて2つあります。
1つは、「年神様の魂を分け与える」という理由です。
日本には、正月に年神様が訪れ、家内安全や五穀豊穣などを授けてくれるという伝承があります。お年玉は、年神様の魂を表すものと考えられています。
そのため、お年玉をもらうことで、年神様の魂を分けてもらい、一年を無事に過ごせるようにという願いが込められています。
もう1つは、「子供の成長を祝う」という理由です。
お年玉は、子供の成長を祝うためにも贈られます。
数え年で1歳になる子供には、初めてのお年玉を贈ります。これは、子供が1歳になり、一人前の人間になったことを祝うという意味があります。
また、お年玉をもらうことで、子供は喜びや感謝の気持ちを学び、成長することができます。
このように、お年玉には、年神様の魂を分け与える、子供の成長を祝うという2つの理由があります。
現代では、お年玉は子供だけでなく、大人にも贈られることもあります。しかし、その根底にある意味は、昔も今も変わらず、年神様や子供の成長を願う気持ちであると言えるでしょう。
元旦と元日の違い
「元旦」と「元日」は、どちらも1年の始まりを意味する言葉ですが、厳密には意味が異なります。
元旦は、1月1日の午前中を指す言葉です。
元日は、1月1日の一日全体を指す言葉です。
つまり、元旦は元日に含まれる時間帯の一部であるということになります。
元旦の「旦」という字は、明け方や朝方を意味します。そのため、元旦は1月1日の朝、特に初日の出からお昼までの時間を指す言葉として使われるようになりました。
一方、元日の「日」という字は、一日全体を表す言葉です。そのため、元日は1月1日の一日全体を指す言葉として使われるようになりました。
元旦と元日の使い分けとしては、年賀状の文面では、1月1日午前中に届くように投函した年賀状にのみ「元旦」を使うという決まりがあります。
また、新聞や雑誌などのメディアでも、1月1日午前中の記事を「元旦」と表記するのが一般的です。
しかし、一般的な会話や文章の中では、元旦と元日を区別せずに使われることも多いです。
例えば、「元旦にお参りに行った」「元旦にお年玉をもらった」というように、元旦と元日を一緒に使うことも珍しくありません。
このように、元旦と元日には明確な違いがありますが、日常的に使われる際には、区別せずに使われることも多いです。
日本人が旧正月を祝わない理由
日本では、1月1日を新年とし、お正月を祝う習慣があります。しかし、かつて日本では旧暦を用いており、旧暦の1月1日を旧正月として祝っていました。
では、なぜ現在では日本人が旧正月を祝わなくなってしまったのでしょうか。
その理由としては、大きく分けて以下の3つが挙げられます。
1. 明治政府による新暦への改定
明治政府は、1873年に旧暦から新暦への改定を実施しました。これは、欧米諸国との国際的な交流を円滑にするため、また、天文学的な観点から旧暦が不便であるという理由からです。
この改定により、旧正月は毎年異なる日に行われるようになったため、祝う習慣が廃れていきました。
2. 欧米文化の影響
明治時代以降、日本は欧米諸国の文化を積極的に受け入れるようになりました。その結果、クリスマスやバレンタインデーなどの欧米の年中行事が日本にも広まり、旧正月の祝う習慣はさらに薄れていきました。
3. 戦後の経済成長
戦後の日本は、高度経済成長を遂げ、国民の生活は大きく変化しました。そのため、旧正月のような伝統的な行事よりも、仕事や遊びなどの日常生活を重視する傾向が強まりました。
このように、明治政府による新暦への改定や、欧米文化の影響、戦後の経済成長など、さまざまな要因が重なって、日本人が旧正月を祝わない理由となっていると言えるでしょう。
なお、現在でも、日本には旧正月を祝う地域がいくつかあります。例えば、沖縄や鹿児島などの南西諸島では、旧正月を「うるう年」として祝う習慣が残っています。
