きのこって、意外と知らないことも多いでしょ?
例えば、きのこは植物じゃないって知ってた?
いや、植物じゃないってどういうこと?
実は、きのこは真菌類って呼ばれる生き物で、植物とは全く違う仲間なんだって。
他にも、きのこには毒性を持つものもあるって知ってる?
毒きのこを食べると、下痢や嘔吐、幻覚などの症状が出ることもあるんだって。
きのこは、実はとっても奥が深い生き物なんだよね。
そんなきのこの雑学をご紹介!
「毒きのこ界の王様」ベニテングタケの魅力と意外な一面
ベニテングタケは、その鮮やかな赤色と白い斑点が特徴的な毒きのこです。毒きのこの代名詞ともいえる存在であり、そのキッチュな佇まいは、世界各国のさまざまなきのこアイテムのモチーフにもなっています。
ヨーロッパでは幸せの象徴として愛されており、クリスマスカードにもよく描かれます。また、アメリカでは、ハロウィンの装飾としても人気があります。
毒きのこといっても、人が死に至るケースは稀で、毒抜きをして食べる国や地域もあるようです。しかし、長期に渡って食べ続けるのは危険です。
ベニテングタケには幻覚作用があるため、マヤ・アステカ時代のシャーマンは儀式のためにベニテングタケを利用したのだとか。
また、日本の俳人・小林一茶の名句にも、ベニテングタケが登場するといわれています。
「天狗茸(テングタケ)立てり魔所の入口に」
「化かされな茸も紅を付けて出てきた」
「うつくしやあらうつくしや毒きのこ」
さらに、ルイス・キャロル原作『不思議の国のアリス』や、任天堂のゲーム『スーパーマリオブラザーズ』にも、ベニテングタケがモチーフになっているといわれています。
『不思議の国のアリス』に登場する、かじると身体が縮んだり、首が異様に伸びてしまう謎のきのこは、ベニテングタケの幻覚作用を表現したものではないかと言われています。
『スーパーマリオブラザーズ』に登場する、赤いきのこを食べるとスーパーマリオに変身するマリオは、ベニテングタケの毒抜きによって、幻覚作用をコントロールできるようになったという説があります。
このように、ベニテングタケは、その毒性や幻覚作用だけでなく、その見た目や文化的な側面からも、人々を魅了する魅力的な存在なのです。
ジョン・ケージとキノコの不思議な関係
ジョン・ケージは、20世紀を代表する前衛作曲家として知られる人物である。彼は、偶然性や不確定性を重視した音楽作品を数多く生み出し、現代音楽に大きな影響を与えた。
そんなケージは、キノコにも並々ならぬ関心を持っていた。彼は、キノコ研究家としても知られ、1962年にはニューヨーク菌類学会の創立にも携わった。
ケージがキノコに興味を持ったきっかけは、ある日辞書を開いたときに「music」の直前に「mushroom」が書かれていたことに気づいたことだったという。彼は、この偶然を「神秘的な啓示」と捉え、それ以来キノコを「音楽の秘密を解く鍵」として研究し続けるようになった。
ケージは、キノコの多様性や不確定性から、音楽の可能性を探ろうとした。彼は、キノコの色や形、生態から着想を得て、さまざまな音楽作品を発表した。
例えば、彼の代表作の一つである「4分33秒」は、演奏者が演奏しないことで、自然界の音や聴衆の心の音を聴かせる作品である。この作品は、キノコの無言の存在感を連想させるとも言われる。
また、ケージはキノコを「自然の芸術品」と称し、その美しさと神秘性に魅了されていた。彼は、キノコの観察や採集を趣味とし、自らキノコの標本集を作成していた。
ケージは、キノコの魅力をこのように語っている。
「キノコは、自然界の驚異である。それは、複雑な生態系の中で、多様な形や色をもって存在している。キノコから、私たちは、自然の豊かさと不思議さを学ぶことができる。」
ケージは、キノコへの深い愛情と敬意をもって、その魅力を作品や言葉で表現し続けた。彼とキノコの不思議な関係は、現代音楽のみならず、私たちの生き方にも新たな視点を与えてくれるだろう。
ヒトヨタケの不思議な生態
ヒトヨタケは、春から秋にかけて、草地や畑地、庭先などに群生するキノコです。傘が開く前の幼菌は、マッシュルームのような食感で、クセがなく食べられます。しかし、傘が開くと黒い液状化した物質を分泌し、食べられなくなります。また、アルコールを飲む前に食べると、中毒を起こす可能性があるため注意が必要です。
ヒトヨタケには、どのような不思議な生態があるのでしょうか。
黒い液状化した物質の正体
ヒトヨタケが傘を広げると、黒い液状化した物質を分泌します。この液状化した物質は、ヒトヨタケの胞子を運ぶ役割をしています。
ヒトヨタケの胞子は、とても小さくて軽く、風に乗って飛ばされやすいです。しかし、そのままでは風に乗って飛ばされてしまい、遠くまで運ばれません。そこで、ヒトヨタケは傘を広げると、黒い液状化した物質を分泌します。
この黒い液状化した物質には、粘り気があります。そのため、ヒトヨタケの胞子が黒い液状化した物質に付着すると、風に乗って飛ばされにくくなります。また、黒い液状化した物質は、水にも溶けにくいため、雨が降っても胞子が流されにくくなります。
このように、ヒトヨタケの黒い液状化した物質は、ヒトヨタケの胞子を遠くまで運ぶための工夫なのです。
アルコール中毒を起こす物質
ヒトヨタケに含まれる「コプリン」という物質は、アルコール分解酵素の働きを阻害し、血液中のアルコール濃度を高めます。そのため、アルコールを飲む前にヒトヨタケを食べると、めまいや吐き気、頭痛などの中毒症状を起こすことがあります。
コプリンは、ヒトヨタケの傘が開くときに大量に分泌されます。そのため、傘が開いたヒトヨタケを食べると、中毒症状を起こす可能性が高くなります。
なお、ヒトヨタケの幼菌にはコプリンが含まれていないため、アルコールを飲む前に食べても中毒を起こすことはありません。
短命のキノコ
ヒトヨタケは、短命のキノコです。傘が開くと、数時間で液状化した物質を分泌し、消滅します。
ヒトヨタケは、傘が開くと、黒い液状化した物質を分泌することで、胞子を遠くまで運びます。しかし、その分、エネルギーを大量に消費します。そのため、傘が開くと、すぐに消滅してしまうのです。
このように、ヒトヨタケは、ユニークな生態を持つキノコです。その不思議な生態は、私たちを驚かせてくれます。