ストレスは、心身にさまざまな影響を与えます。その中でも、意外と知られていないのが、ストレスによって髪が白くなるという現象です。
ストレスによって髪が白くなることを、医学用語で「白髪症」といいます。白髪症には、遺伝や加齢などの原因もありますが、ストレスも大きな原因のひとつと考えられています。
ストレスが髪を白くするメカニズムは、まだ完全には解明されていませんが、ストレスによって、毛根にあるメラノサイトという細胞が働かなくなることが原因と考えられています。メラノサイトは、髪の毛の色素であるメラニンを生成していますが、ストレスによってメラノサイトが働かなくなると、髪の毛にメラニンが生成されなくなり、白髪になってしまうのです。
ストレスによる白髪は、誰にでも起こり得る現象です。特に、仕事や人間関係などのストレスを抱えている人は、白髪になりやすいといわれています。
ストレスによる白髪を防ぐためには、ストレスを溜め込まないようにすることが大切です。適度な運動や趣味を楽しんだりして、ストレスを解消しましょう。また、十分な睡眠をとることも、ストレスを軽減するのに役立ちます。
もし、白髪が増えてきたと感じたら、ストレスが原因になっている可能性も考えられます。ストレスを溜め込まないように、心身の健康に気を配りましょう。
ストレスの意外な起源と、心身に与える影響
私たちの日常生活において、ストレスという言葉は当たり前のように使われています。しかし、その正体や由来を正確に理解している人は意外と少ないのではないでしょうか。
ストレスの語源は、ラテン語の「struere」で、積み上げる、圧迫する、という意味です。力学の世界では、ゴムやスプリングのように、外部からの力によって形が変化する物体に働く力のことを指します。
医学の世界でストレスという言葉が使われるようになったのは、1936年にカナダ人の生理学者ハンス・セリエが提唱した「ストレス学説」がきっかけでした。セリエは、ストレスを「生物が環境の変化に対して適応しようとする過程において、生体内に生じる非特異的な生理反応」と定義しました。
セリエは、ストレスは必ずしも悪いものではなく、適度なストレスは生体に適応力を高める効果があるとも考えました。しかし、ストレスが過剰になると、心身にさまざまな悪影響を及ぼすことになります。
セリエのストレス学説は、病気の原因は病原体にあると信じられていた当時の医学界に大きな変革をもたらしました。ストレスが病気の原因のひとつとなることを明らかにしたセリエの研究は、現代医学の基礎を築いたともいわれています。
セリエのストレス学説は、その後の研究によってさらに発展しました。ストレスの種類や、ストレスが心身に与える影響などについて、さまざまな研究が行われています。
ストレスの種類としては、大きく分けて、
- 外部からのストレス（環境ストレス）
- 内部からのストレス（心理ストレス）
の2つに分けられます。
外部からのストレスには、仕事や人間関係、経済的な問題、災害などが挙げられます。内部からのストレスには、不安や怒り、悲しみ、ストレスへの対処能力の不足などが挙げられます。
ストレスが心身に与える影響としては、
- 身体的な影響（胃腸障害、頭痛、不眠、免疫力の低下など）
- 心理的な影響（不安、イライラ、うつ病など）
などが挙げられます。
ストレスは、現代社会において誰もが抱える問題です。ストレスを溜め込まないように、適度な運動や趣味を楽しんだり、十分な睡眠をとったりして、心身の健康に気を配りましょう。
「ストレス」は流行語から社会現象へ
「ストレス」という言葉は、現代社会において誰もが知っている言葉です。しかし、この言葉が日本の社会に浸透してきた歴史は、意外と浅いのです。
「ストレス」という言葉が日本で使われるようになったのは、戦後の急激な社会変化の渦中にあった1950年代末のことでした。当時は、高度経済成長期の始まりを迎え、人々の生活は大きく変化していました。その中で、新しい言葉として「ストレス」が注目を集めるようになったのです。
1957年には、雑誌「流行語大賞」で「ストレス」が流行語に選ばれました。また、1960年代には、ストレスによって引き起こされる心身症や精神疾患が注目されるようになり、医学の分野でも「ストレス」という言葉が使われるようになりました。
しかし、ストレスという言葉が今のように社会的に定着したのは、バブル期に突入した1980年代のことでした。1985年には、ストレス問題を研究する学術団体「日本ストレス学会」が発足し、1989年には人気アイドルだった森高千里が「ザ・ストレス」という曲をヒットさせるなど、アカデミズムの世界からお茶の間にまでストレスという言葉が広く浸透していきました。
バブル崩壊後の日本では、経済的な不安や社会の変化などによって、ストレスを抱える人が増えました。その結果、「ストレス社会」という言葉が使われるようになり、ストレスは現代社会の大きな問題として認識されるようになりました。
近年では、「ストレスという言葉があるから、ストレスを感じるのだ」という言説も見られます。しかし、ストレスは心身にさまざまな悪影響を及ぼす可能性があるため、軽視することはできません。
いずれにしても、ストレスとは上手に付き合っていくことが大切です。ストレスを溜め込まないように、適度な運動や趣味を楽しんだり、十分な睡眠をとったりして、心身の健康に気を配りましょう。
