「肥満は病気じゃない」なんて思ってない?実は、肥満は多くの病気の入り口になってるらしいよ。
例えば、肥満になると、糖尿病や高血圧、心臓病などの生活習慣病にかかりやすくなる。また、睡眠時無呼吸症候群や骨粗しょう症、がんなどの病気にもつながることもあるんだ。
肥満は、見た目だけの問題じゃない。健康を害するリスクを高める要因なんだから、気をつけよう!
睡眠時無呼吸症候群とは?
睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは、睡眠中に何度も呼吸が止まる病気です。医学的には、1時間あたり10回以上の無呼吸や低呼吸があると診断されます。
SASの原因は、大きく分けて2つあります。
- 閉塞型SAS:上気道が狭くなることで呼吸が止まる
- 中枢型SAS:脳からの呼吸リズムが乱れることで呼吸が止まる
閉塞型SASは、肥満、扁桃肥大、顎骨の形状、鼻炎などの鼻づまり、飲酒、睡眠薬の使用などが原因で起こります。中枢型SASは、脳卒中、脳腫瘍、神経疾患などの病気が原因で起こることがあります。
SASの症状は、以下のとおりです。
- いびき
- 呼吸が止まる
- 睡眠中に何度も目が覚める
- 日中に強い眠気
- 集中力や記憶力の低下
- うつ病
- 高血圧
- 心臓病
- 脳卒中
SASは、放置するとさまざまな合併症を引き起こす可能性があります。そのため、いびきや日中の眠気などの症状がある場合は、早めに医療機関を受診して検査を受けることをおすすめします。
SASの治療は、原因によって異なります。
- 閉塞型SAS:CPAP(持続陽圧呼吸療法)やマウスピースなどの治療を行う
- 中枢型SAS:薬物療法や手術療法などの治療を行う
CPAPは、鼻や口からマスクを装着して、気道に一定の圧力をかけて呼吸を維持する治療法です。マウスピースは、顎を前方に出して気道を広げる治療法です。薬物療法は、中枢型SASの原因となっている病気を治療する方法です。手術療法は、気道を狭くしている原因を取り除く方法です。
SASの予防には、以下のことに注意しましょう。
- 肥満の解消
- 扁桃肥大や顎骨の形状の改善
- 鼻炎の治療
- 飲酒や睡眠薬の使用を控える
SASは、適切な治療を受けることで、症状を改善し、合併症を予防することができます。
肥満とは?
肥満とは、体重が多いだけではなく、体脂肪が過剰に蓄積した状態を言います。肥満は、糖尿病や脂質異常症・高血圧症・心血管疾患などの生活習慣病をはじめとして数多くの疾患のもととなるため、健康づくりにおいて肥満の予防・対策は重要な位置づけを持ちます。
肥満の定義
肥満の定義は、体格指数(BMI)を用いて判断されます。BMIとは、体重(kg)を身長(m)の2乗で割ったもので、22.0以上のものを肥満と定義しています。ただし、同じBMIでも、体脂肪の蓄積の場所によって健康への影響は異なります。
- 皮下脂肪型肥満(洋梨型肥満):皮下脂肪が過剰に蓄積するタイプ。健康への影響は比較的少ない。
- 内臓脂肪型肥満(リンゴ型肥満):腹腔内に脂肪が過剰に蓄積するタイプ。健康への影響が大きい。
肥満がもたらす健康問題
肥満は、以下の健康問題を引き起こす可能性があります。
生活習慣病
- 糖尿病
- 脂質異常症
- 高血圧
- 高尿酸血症
- 痛風
- 狭心症
- 心筋梗塞
- 脳梗塞
- 脂肪肝
- その他の病気
- 睡眠時無呼吸症候群
- 骨粗しょう症
- がん(大腸がん、前立腺がん、乳がん、子宮がんなど)
- 精神的な問題
- うつ病
- 不安障害
肥満の原因
肥満の原因は、食事・運動・遺伝などの複合的な要因が考えられます。
- 食事
- 摂取エネルギーの過剰
- 高カロリー・高脂肪の食事
- 間食の多さ
- 運動
- 運動不足
- 運動習慣の低さ
- 遺伝
- 遺伝的な要因が肥満のリスクを高める
肥満の予防・対策
肥満の予防・対策には、以下のことに気をつけましょう。
- 食事
- 摂取エネルギーを控える
- 野菜や果物を積極的に摂る
- 高カロリー・高脂肪の食事を控える
- 間食を控える
- 運動
- 1日30分以上の適度な運動を心がける
- 週に2回以上の有酸素運動を組み合わせる
肥満の治療
肥満の治療には、食事療法・運動療法・薬物療法などがあります。
- 食事療法
- 摂取エネルギーを控える
- 野菜や果物を積極的に摂る
- 高カロリー・高脂肪の食事を控える
- 間食を控える
- 運動療法
- 1日30分以上の適度な運動を心がける
- 週に2回以上の有酸素運動を組み合わせる
- 薬物療法
- 食事療法・運動療法で効果が不十分な場合に行う
肥満のまとめ
肥満は、糖尿病や脂質異常症・高血圧症・心血管疾患などの生活習慣病をはじめとして、多くの疾患のもととなるため、健康づくりにおいて重要な位置づけを持ちます。肥満の予防・対策には、食事・運動・遺伝などの複合的な要因を踏まえて、早期から取り組むことが大切です。
肥満の予防・対策のポイント
- 食事療法と運動療法を組み合わせて行う
- 無理のない範囲で、継続的に取り組む
- 家族や友人と一緒に取り組む
肥満は、生活習慣の改善によって予防・改善が可能です。日頃から健康を意識し、適切な食事・運動を心がけましょう。