「骨粗鬆症って何?」「骨折しないためには?」
骨粗鬆症って聞いたことはあるけど、具体的に何なのか、どうすれば予防できるのかがよくわからない人も多いはず。
実は、骨粗鬆症は誰でもなり得る病気で、骨折のリスクを高める原因にもなります。そこで今回は、骨粗鬆症の原因や予防・対策について、わかりやすく解説します。「骨折したくない!」「健康で長生きしたい!」という人は、ぜひ参考にしてみてください。
骨粗鬆症とは
骨粗鬆症とは、骨の強度が低下し、骨折しやすくなる病気です。骨は、骨形成(骨の新しく作られること)と骨吸収(骨が溶けて壊されること)を繰り返すことで、常に入れ替わっています。しかし、骨粗鬆症になると、骨形成が抑制され、骨吸収が亢進することで、骨量が減少し、骨がもろくなります。
骨粗鬆症になると
骨粗鬆症になると、背中が曲がったり、背中や腰の痛みを訴えるようになり、またちよっとしたことでも骨折しやすくなります。骨折が起こりやすい部位は、椎体(背骨)、大腿骨近位部(太ももの付け根)、前腕骨(手首)、上腕骨(腕の付け根)などです。
骨粗鬆症の原因・診断
骨粗鬆症の原因は、加齢や女性ホルモンの減少、運動不足、栄養不足、喫煙、飲酒などが挙げられます。また、一部の病気や薬剤の副作用で骨粗鬆症になることもあります。
骨粗鬆症の診断は、骨密度検査によって行われます。骨密度検査では、骨の強さを測定することで、骨粗鬆症の有無や程度を判断します。
骨粗鬆症の治療
骨粗鬆症の治療は、薬物療法、運動療法、栄養療法などがあります。
- 薬物療法
- 運動療法
- 栄養療法
薬物療法
薬物療法では、骨形成を促進したり、骨吸収を抑制したりする薬剤を用います。
運動療法
運動療法では、骨に負荷をかけることで、骨を強くする効果が期待できます。
栄養療法
栄養療法では、カルシウムやビタミンDの摂取を心がけることで、骨の健康を維持します。
骨粗鬆症の予防
骨粗鬆症の予防には、以下の点が重要です。
- バランスのよい食事(カルシウムやビタミンDを多く含む食品を摂取する)
- 適度な運動
- 禁煙
- 適量の飲酒
骨粗鬆症は、健康寿命を損なう原因になる病気です。日頃から骨の健康に気を配り、骨粗鬆症の予防に努めましょう。
骨密度を維持する食生活
骨は、カルシウムやビタミンD、ビタミンKなどの栄養素によって作られています。これらの栄養素をバランスよく摂取することで、骨密度を維持し、骨折のリスクを減らすことができます。
カルシウム
カルシウムは骨の主要な成分であり、骨の強度を保つのに欠かせません。カルシウムは、牛乳や乳製品、小魚、干しエビ、小松菜、チンゲン菜、大豆製品などに多く含まれています。
ビタミンD
ビタミンDは、カルシウムの吸収を促進する働きがあります。ビタミンDは、サケやウナギ、サンマ、メカジキ、イサキ、カレイ、シイタケ、キクラゲ、卵などに多く含まれています。また、日光を浴びることでもビタミンDを合成することができます。
ビタミンK
ビタミンKは、骨の形成に必要なたんぱく質の働きを助ける働きがあります。ビタミンKは、納豆、ホウレン草、小松菜、ニラ、ブロッコリー、サニーレタス、キャベツなどに多く含まれています。
控えめにしたい食品、避けたい嗜好品
骨粗鬆症のリスクを高める可能性がある食品や嗜好品には、以下のようなものがあります。
- スナック菓子、インスタント食品などの加工食品
- アルコール
- カフェインの多いコーヒー
- タバコ
骨粗鬆症予防に効果的な運動
骨は、負荷がかかるほど骨をつく細胞が活発になり、強くなる性質があります。そのため、適度な運動をすることで、骨密度を維持し、骨折のリスクを減らすことができます。
骨粗鬆症予防に効果的な運動は、大きく分けて「有酸素運動」「筋力トレーニング」「バランス運動」の3つがあります。
骨粗鬆症予防に効果的な運動
有酸素運動
有酸素運動は、心拍数を上げ、呼吸を深くする運動です。ウォーキング、ジョギング、水泳などが代表的な有酸素運動です。有酸素運動をすることで、骨に刺激を与え、骨密度を増加させる効果があります。
筋力トレーニング
筋力トレーニングは、筋肉に負荷をかける運動です。スクワット、腕立て伏せ、腹筋などが代表的な筋力トレーニングです。筋力トレーニングをすることで、骨を支える筋肉を鍛えることができます。筋肉量が増えることで、骨への負担を軽減し、骨折のリスクを減らすことができます。
バランス運動
バランス運動は、転倒を予防するための運動です。ヨガ、ストレッチなどが代表的なバランス運動です。バランス運動をすることで、体幹を鍛え、転倒に備えることができます。
家でできる骨粗鬆症予防運動
家でも簡単にできる骨粗鬆症予防運動をご紹介します。
- 開眼片脚立ち
フラミンゴのように片脚で立ちます。不安な方は壁やテーブルにつかまりながら行ってもかまいません。片脚立ちをすることで、骨に強い負荷を与えることができます。
- ふくらはぎとアキレス腱のストレッチ
壁に手をついて、体を支えながらふくらはぎとアキレス腱を伸ばします。片脚30~40秒ずつを左右交互に行いましょう。
- 背筋を伸ばすストレッチ
壁から20~30cm離れて立ち、壁に沿って両手をできるだけ上の方にのばします。イスに座って、頭のうしろで手を組み、両肘をできるだけうしろのほうに引き、胸を開きます。
骨粗鬆症予防のまとめと対策
骨粗鬆症とは、骨の強度が低下し、骨折しやすくなる病気です。骨粗鬆症は、予防が大切です。骨は、カルシウムやビタミンD、ビタミンKなどの栄養素によって作られています。これらの栄養素をバランスよく摂取することで、骨密度を維持し、骨折のリスクを減らすことができます。
また、日頃の適度な運動もポイントです。
- 週に3~5日、30分程度の有酸素運動をする
- 週に2~3日、30分程度の筋力トレーニングをする
- バランス運動を取り入れる
上記のような運動を心がけましょう。
また、骨粗鬆症のリスクが高い人は、定期的に骨密度検査を受けましょう。骨密度検査で骨粗鬆症のリスクが判明した場合は、医師の指導のもとで適切な対策を講じましょう。
なお、骨粗鬆症の予防と対策は、年齢を問わず行うことができます。若いうちから骨の健康を意識して、骨粗鬆症のない健康な生活を送りましょう。