節分といえば「鬼は外、福は内」でおなじみですよね。でも、節分には「鬼は外」のほかにも、こんな雑学があったんです。
例えば、節分の豆まきには、実は「鬼を退治する」という目的だけでなく、豊作を願うという意味もあるんです。また、節分の日に食べる恵方巻きには、その年の恵方に向かって食べると、その年の運気がアップするという言い伝えもあるんです。
節分は、ただ鬼を退治するだけの行事じゃないんです。実は、さまざまな意味や言い伝えがあるんです。
昔の節分は「大晦日」だった!?
節分といえば、毎年2月3日に行われ、豆まきや恵方巻きなどを楽しむ行事ですよね。でも、実は昔の節分は、今の大晦日のような一大イベントだったんです。
その理由は、旧暦では新年が立春から始まっていたからです。そのため、立春の前日の節分は、旧年を締めくくり、新年を迎える重要な行事でした。
当時の節分は、鬼を退治するだけでなく、厄払いや豊作祈願などの意味もありました。また、節分の日に食べる恵方巻きや柊餅なども、魔除けや厄除けなどの意味を持つ食べ物として食べられていました。
そんな昔の節分の様子を、少し詳しく見てみましょう。
まず、節分の夜には、鬼を退治するために、火を焚いたり、太鼓や笛を鳴らしたりしていました。また、鬼に扮した人物が町内を練り歩き、家々を回って厄払いをする「追儺（ついな）」という行事も行われていました。
そして、節分の日の朝には、豆まきが行われました。豆をまいて鬼を退治し、新年を迎える準備を整えたのです。
現代の節分は、子どもから大人まで楽しめる行事として親しまれています。でも、その背景には、昔の節分の歴史や意味が息づいていることを、ぜひ覚えておきたいですね。
豆まきの掛け声は「鬼は外、福は内」だけじゃない⁉
節分の豆まきといえば、鬼を追い払って福を呼び込む「鬼は外、福は内」という掛け声が一般的ですよね。しかし、実は「鬼は内、福は外」という掛け声を使う地域もあるんです。
その代表的な地域が、京都府福知山市にある大原神社です。大原神社では、鬼を神社に招き入れて改心させ、福に変えてから外へ出すという言い伝えがあります。そのため、鬼を追い払うのではなく、鬼を受け入れることを願う掛け声が使われているのです。
また、群馬県藤岡市の鬼石地域でも「鬼は内、福は内」という掛け声が使われます。この地域は「鬼石」という地名にちなんで、追い出された鬼を招き入れるという鬼にやさしい豆まきが行われています。
このように、豆まきの掛け声は地域によってさまざまです。中には、鬼を追い払うだけでなく、鬼を受け入れたり、改心させたりすることを願う掛け声もあります。
豆まきの掛け声に込められた意味を知って、節分をより深く楽しんでみてはいかがでしょうか。
節分の柊鰯は「鬼退治」の魔除け？
節分の時期になると、玄関にひいらぎの枝にいわしの頭を刺した「柊鰯（ひいらぎいわし）」を飾る風景をよく見かけます。この柊鰯には、どのような意味や由来があるのでしょうか。
柊鰯の由来は、古くから鬼を退治する力があると信じられていたひいらぎと、鬼が嫌う臭気があるとされるいわしを組み合わせたものだと考えられています。
ひいらぎのトゲは鬼の目を刺して目を眩ませ、いわしの焼けた匂いは鬼の鼻を塞いで追い払うというのです。
また、柊鰯は豊作祈願の意味もあるといわれています。柊の葉は「火除けの木」とも呼ばれ、昔は火災を防ぐために家屋の周りに植えられていたことがありました。そのため、柊鰯を飾ることで、火災や凶作などの災厄を避け、五穀豊穣を願うという意味もあったようです。
柊鰯の歴史は古く、平安時代に書かれた紀貫之の「土佐日記」にも登場した記録があります。当時は、柊鰯を飾るだけでなく、柊の枝を玄関に立てたり、いわしの頭を焼いてその煙を家の中に入れたりしていたそうです。
現代では、柊鰯を飾る風習は一部地域で残っているのみですが、その由来や意味を知ることで、節分の行事を楽しむきっかけになるかもしれません。
鬼は渡辺さんには近寄れない！？豆まき不要のワケ
節分の豆まきといえば、鬼を追い払うために豆をまく行事ですよね。しかし、実は「渡辺」さんという姓の人は、豆まきをしなくてもよいという言い伝えがあるのをご存知でしょうか。
その理由は、平安時代に「渡辺綱（わたなべのつな）」という武士が、鬼を退治したという伝説があるためです。鬼は渡辺綱を恐れ、近寄ることができないという言い伝えから、渡辺さんという姓の人は豆まきをしなくても鬼が追い払われると考えられています。
また、同じ理由で「坂田」さんも鬼より強いとされ、豆をまかなくてOKな地域もあるそうです。
この言い伝えは、渡辺綱や坂田という武士が、鬼退治の英雄として民衆から広く信仰されていたことを示しています。また、鬼を恐れる気持ちや、鬼を追い払いたいという願いが込められていると考えられます。
現代では、豆まきは子どもの遊びとして親しまれている一方で、その意味や由来を知る人は少なくなっています。しかし、この言い伝えを知ることで、節分の行事をより深く理解することができるでしょう。
