のどが痛い原因は、風邪やインフルエンザなどのウイルス感染症がほとんどです。しかし、実はそれ以外にも、意外な病気が原因でのどが痛くなることがあります。
例えば、扁桃炎や咽頭炎などの細菌感染症、逆流性食道炎、アレルギー性鼻炎、声帯損傷、喫煙、飲酒などです。
のどが痛いときは、風邪だと思っていても、実は他の病気だったというケースもあるため、注意が必要です。
のどが痛いという症状とは?
のどの痛みとは、のどが痛いという症状の総称です。のどは、鼻から入った空気や食べ物を気管や胃に送る役割を担う器官です。のどには、粘膜や線毛などがあり、空気中の汚れや異物をキャッチして排出する役割も担っています。
のどの痛みの原因は、大きく分けて以下の2つに分けられます。
- 炎症によるもの
- 異物や腫瘍によるもの
腫瘍とは、組織、細胞が生体内の制御に反して自律的に過剰に増殖することによってできる組織塊のこと。腫瘍ができたことにより、身体に影響を及ぼすことがあります。
炎症によるもの
のどの痛みの原因として最も多いのが、炎症によるものです。炎症とは、体の組織が何らかの刺激を受けて、免疫系が働き、白血球が集まってきて、炎症物質が分泌されることで起こります。炎症によって、のどの粘膜が腫れて、痛みや違和感を感じます。
炎症によるのどの痛みの原因としては、以下のようなものが挙げられます。
- 風邪やインフルエンザなどのウイルス感染症
- 細菌感染症(扁桃炎、咽頭炎、喉頭炎など)
- 逆流性食道炎
- アレルギー性鼻炎
- 声帯損傷
- 喫煙
- 飲酒
異物や腫瘍によるもの
のどの痛みの原因として、異物や腫瘍によるものも考えられます。
異物によるのどの痛みは、食べ物や異物がのどに詰まることで起こります。食べ物がのどに詰まって、粘膜を刺激することで、痛みや違和感を感じます。また、異物がのどに刺さったり、のどに穴が開いたりすることでも、痛みや違和感を感じます。
腫瘍によるのどの痛みは、声帯や扁桃腺などの腫瘍によって、のどが圧迫されることで起こります。腫瘍によって、のどが狭くなって、空気の通りが悪くなることで、息苦しさや咳などの症状も併発することがあります。
のどの痛みの症状
のどの痛みは、主に以下の症状が現れます。
- のどの痛み
- のどの違和感
- のどの乾燥感
- 発熱
- 倦怠感
- 咳
- 声がれ
のどの痛みの診断
のどの痛みの診断は、主に問診と診察によって行われます。問診では、のどの痛みの程度や、発熱や倦怠感などの他の症状の有無などを問診します。診察では、のどの状態を観察し、必要に応じて、血液検査やレントゲン検査などを行います。
のどの痛みの治療
のどの痛みの治療は、原因によって異なります。
炎症によるのどの痛みの場合は、原因となっている感染症を治療することで、のどの痛みも治まります。風邪やインフルエンザなどのウイルス感染症の場合は、解熱鎮痛薬や抗ウイルス薬の服用によって、症状を緩和します。細菌感染症の場合は、抗菌薬の服用によって、感染を抑制します。
異物によるのどの痛みの場合は、異物を除去することで、痛みが治まります。異物が自分で取り除けない場合は、耳鼻咽喉科を受診して、医師に除去してもらいましょう。
腫瘍によるのどの痛みの場合は、腫瘍の種類や大きさによって、治療法が異なります。良性腫瘍の場合は、手術や放射線治療によって、腫瘍を摘出します。悪性腫瘍の場合は、手術や放射線治療、化学療法などを組み合わせて治療します。
解熱鎮痛薬とは?
解熱鎮痛薬とは、痛みや熱を抑える薬のことです。主に、頭痛、生理痛、歯痛、筋肉痛、関節痛、風邪による発熱などの症状に用いられます。
解熱鎮痛薬には、以下の2つの作用があります。
- 解熱作用:体温を下げる作用
- 鎮痛作用:痛みを抑える作用
解熱鎮痛薬には、主に以下の2つの種類があります。
- 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs):アスピリン、イブプロフェン、ロキソプロフェンなど
- アセトアミノフェン:カロナール、タイレノールなど
NSAIDsは、プロスタグランジンの産生を抑制することで、解熱・鎮痛・消炎作用を発揮します。アセトアミノフェンは、プロスタグランジンの産生を抑制する効果は弱いですが、解熱・鎮痛作用があります。
解熱鎮痛薬は、市販薬として販売されています。ただし、用法用量を守って使用することが大切です。また、持病や服用中の薬がある場合は、医師や薬剤師に相談してから使用するようにしましょう。
のどの痛みの予防
のどの痛みの予防には、以下のことに気をつけましょう。
- 手洗いをして、ウイルスや細菌を体内に入れないようにする
- マスクを着用して、ウイルスや細菌の吸入を防ぐ
- タバコを吸わない
- アルコールを飲みすぎない
- のどを乾燥させないようにする
- 栄養バランスの良い食事を摂る
- 十分な睡眠をとる
のどの痛みは、誰でも経験することがある症状です。しかし、痛みが強い場合や、発熱や倦怠感などの他の症状が伴う場合は、早めに耳鼻咽喉科を受診しましょう。