「息が苦しい」「ゼーゼーする」「胸が痛い」
これらの症状に心当たりはありませんか?もし、これらの症状が頻繁に起こるようであれば、喘息の可能性があります。
喘息は、呼吸器のアレルギー性疾患です。気管支の炎症によって、気管支が狭くなり、空気の流れが悪くなることで発症します。
喘息は、発作性の症状が特徴です。発作が起こると、息苦しさやゼーゼー、胸の痛みなどの症状が現れます。発作が重度になると、呼吸困難や意識障害を起こすこともあります。
喘息は、適切な治療によってコントロールすることができます。発作を予防するために、アレルギーの原因物質を避けるなどの対策も大切です。
喘息とは
喘息(ぜんそく)とは、気道の炎症と狭窄によって、呼吸困難や喘鳴(ぜんめい)などの症状が出る病気です。気道の炎症によって、気道が狭くなり、空気が通りにくくなります。また、気道の粘膜が腫れて、痰(たん)がたくさん出ます。これらの症状により、呼吸困難や喘鳴などの症状が現れます。
喘息は、世界的にみても非常に身近な病気であり、日本では、成人の約5%が喘息の患者であると推定されています。また、近年では、小児の喘息患者も増加傾向にあります。
喘息の原因
喘息の原因は、完全には解明されていませんが、以下の3つの要因が関係しているとされています。
遺伝的要因
喘息は、遺伝的な要因が関与しているとされています。喘息の家族歴がある人は、喘息を発症するリスクが高くなります。
環境的要因
アレルギー物質やウイルス感染などの環境的要因が、喘息の発症を誘発すると考えられています。
気道の過敏性
喘息患者の気道は、アレルギー物質やウイルス感染などの刺激に対して、通常よりも過敏になっています。そのため、わずかな刺激でも、気道が炎症を起こして狭窄し、喘息の症状が現れると考えられています。
喘息の症状
喘息の症状は、以下の3つが代表的です。
呼吸困難
息苦しさや息切れなどの症状が現れます。
喘鳴
呼吸するときに、ゼーゼー、ヒューヒューという音が聞こえます。
咳
夜間や早朝に、咳が出ることがあります。
また、喘息の症状は、以下のような状況で悪化することがあります。
アレルギー物質を吸い込む
花粉やハウスダストなどのアレルギー物質を吸い込むと、喘息の症状が悪化することがあります。
ウイルス感染
風邪やインフルエンザなどのウイルス感染をすると、喘息の症状が悪化することがあります。
運動
運動をすると、喘息の症状が悪化することがあります。
喘息の診断
喘息の診断は、以下の方法で行われます。
問診
患者の症状や病歴などを詳しく聞き取ります。
身体検査
呼吸音や胸の音を聴診します。
肺機能検査
肺の機能を確認する検査を行います。
アレルギー検査
アレルギーの原因を調べる検査を行います。
喘息の治療
喘息の治療には、以下の2つの方法があります。
吸入薬
気道を拡張する薬や炎症を抑える薬を、吸入器を使って吸入する方法です。
内服薬
炎症を抑える薬や免疫を抑える薬を、内服する方法です。
喘息の治療は、症状の程度や頻度に合わせて、医師が適切な治療方法を決定します。
喘息の予防
喘息の予防には、以下の方法があります。
アレルギー物質を避ける
花粉やハウスダストなどのアレルギー物質を避けるようにしましょう。
ハウスダストとは、室内のちりやほこりの中でも、1mm以下の目に見えにくいものを指します。ハウスダストには、ダニの死骸やフン、カビ、細菌、花粉、繊維のクズなど、さまざまなものがあります。
ハウスダストは、人の活動によって舞い上がり、空気中に浮遊します。そして、人が呼吸をしたり、目をこすったりすることによって体内に取り込まれます。
ハウスダストは、アレルギーの原因物質として知られています。ハウスダストが体内に取り込まれると、免疫システムが異物と認識して、アレルギー反応を起こします。アレルギー反応によって、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、咳、目のかゆみ、皮膚のかゆみなどの症状が現れます
定期的な受診
定期的に医療機関を受診して、喘息の症状をコントロールしましょう。
禁煙
喫煙は、喘息の症状を悪化させるため、禁煙をしましょう。
喘息の合併症
喘息が重症化すると、以下の合併症を引き起こす可能性があります。
肺気腫
肺の組織が破壊されて、空気の流れが悪くなる病気です。
肺気腫とは、肺胞壁が破壊されて、肺胞が膨らんでしまう病気です。肺胞は、肺の中にある小さな袋状の組織で、酸素と二酸化炭素の交換を行う役割を担っています。肺気腫になると、肺胞が破壊されて、酸素と二酸化炭素の交換がうまくできなくなり、息苦しさなどの症状が現れます。
肺気腫の原因は、主に喫煙です。喫煙によって肺胞の壁が破壊され、肺気腫を発症するリスクが高まります。また、大気汚染や遺伝的要因も、肺気腫の原因となる可能性があります。
肺気腫の症状は、息苦しさ、咳、痰、胸痛などです。息苦しさは、階段を登ったり、少し歩いたりしただけでも、息切れがするようになります。咳は、乾いた咳や痰を伴う咳など、さまざまな形で現れます。痰は、白色や黄色の粘り気のある痰が出ることが多いようです。胸痛は、胸がしめつけられるような痛みや、刺すような痛みなど、さまざまな形で現れます。
肺心症
心臓に負担がかかって、心臓の機能が低下する病気です。
睡眠時無呼吸症候群
睡眠中に呼吸が止まったり、浅くなったりする病気です。
喘息は、適切な治療と管理をすることで、症状をコントロールして、健康的な生活を送ることができます。