コーヒーは、世界中で愛されている飲み物。でも、そのトリビアって、意外と知らないものが多いんです。
例えば、コーヒー豆の産地によって、味わいが大きく違うって知っていましたか？また、コーヒーには、健康や美容に役立つ効果があるとも言われています。
今回は、そんなコーヒーにまつわる、ちょっとしたトリビアを、3つご紹介します。
コーヒーは“食べ物”から“飲み物”へ
コーヒーは、世界中で愛されている飲み物です。しかし、その起源は、食べ物だったという説があるのをご存知でしょうか。
その起源は、6世紀頃のアフリカ・エチオピアにあります。当時、エチオピアの高原でヤギを飼っていた少年が、ヤギが白い花をつけている木の実を食べ、興奮している様子を目撃しました。少年もその実を食べてみると、疲労が吹き飛ぶような爽快感を覚えたそうです。
この話を聞いた修道士たちが、実を食べてみたところ、彼らも同じような感覚を覚えました。そして、この実を「キョホワ」と呼び、精神を集中させるために用いたといわれています。
この「キョホワ」の実こそ、コーヒーの原型です。
コーヒーの実には、カフェインが含まれています。カフェインは、覚醒作用や集中力を高める効果があるといわれています。そのため、修道士たちは、この実を食することで、長時間の祈りや礼拝を乗り切っていたと考えられます。
その後、コーヒーの実を煮て飲むようになったことから、コーヒーは飲み物として広まっていきました。
さらに、13世紀頃には、コーヒー豆を乾燥させて粉末にし、水で淹れる方法が生まれました。これが、現在のコーヒーの原型となったのです。
このように、コーヒーは、食べ物から飲み物へと進化を遂げてきました。
コーヒーは、今や世界中で愛される飲み物になりましたが、その原点は、アフリカ・エチオピアの高原で、ヤギが食べていた実にあったのです。
インスタントコーヒーは日本発
インスタントコーヒーは、コーヒーの粉末を熱湯に溶かすだけで飲める、便利なコーヒーです。現在では世界中で広く普及していますが、その発祥は実は日本なのです。
インスタントコーヒーを発明したのは、1899年にアメリカのイリノイ州シカゴに在住していた日本人科学者の加藤サトリ博士です。加藤博士は、緑茶を粉末化する研究を進めていた際に、コーヒーにも応用できるのではないかと考え、真空乾燥法によるインスタントコーヒーの製造に成功しました。
加藤博士は、1901年にニューヨーク州バッファローで開催されたパンアメリカン博覧会で、自ら開発したインスタントコーヒー「ソリュブル・コーヒー」を出品しました。この「ソリュブル・コーヒー」は、当時のアメリカで大きな話題となり、世界的な注目を集めることになりました。
その後、アメリカの食品会社であるジェイ・ヴァーニエ社が加藤博士の技術を買い取り、1903年に「ゴールデン・ブロンド・コーヒー」という商品名で市販を開始しました。この「ゴールデン・ブロンド・コーヒー」は、瞬く間に人気商品となり、インスタントコーヒーの普及に大きく貢献しました。
このように、インスタントコーヒーの発祥は、日本人科学者の加藤サトリ博士によるものであると言えます。加藤博士の発明は、コーヒーの普及と飲用スタイルの変化に大きな影響を与えました。
なお、インスタントコーヒーの製造方法には、加藤博士が発明したスプレードライ製法のほかに、フリーズドライ製法もあります。フリーズドライ製法は、1960年代にアメリカで開発された製法で、風味や品質に優れていることから、現在ではスプレードライ製法よりも一般的となっています。
動物の排泄物からコーヒーを作る？！
コーヒーといえば、コーヒー豆を焙煎して粉末にした飲み物ですが、実は動物の排泄物からコーヒーを作ることもできます。
代表的な例としては、ジャコウネコの糞から作られる「コピ・ルアク」があります。コピ・ルアクは、インドネシアのジャワ島で古くから飲まれており、その希少性と独特の風味から、世界最高級のコーヒーとして知られています。
ジャコウネコは、コーヒーの果実を好んで食べますが、消化器官ではコーヒー豆を完全に消化することができず、糞と一緒に未消化のコーヒー豆を排泄します。この未消化のコーヒー豆は、酵素や消化液の影響を受けて、独特の風味や甘み、コクを持つようになります。
コピ・ルアクの製造方法は、まずジャコウネコの糞を回収し、その中からコーヒー豆を取り出します。その後、コーヒー豆を洗浄して焙煎し、粉末にします。
コピ・ルアクは、その希少性から非常に高価で、1杯1万円を超えることもあると言われています。また、ジャコウネコの保護の観点から、倫理的に問題視する声もあります。
コピ・ルアクのほかにも、ゾウの糞から作られる「ブラック・アイボリー」や、サルの糞から作られる「モンキー・コーヒー」など、動物の排泄物から作られるコーヒーがあります。これらのコーヒーは、いずれも希少性や独特の風味から、高値で取引されています。
動物の排泄物からコーヒーを作るという方法は、一見奇妙に思えますが、自然界でコーヒー豆が消化されることで、新たな風味や味わいが生まれる可能性があることは、興味深いものです。
