ツボは、中国医学で用いられる、体内の特定の場所を指します。ツボを押すことで、さまざまな効果が期待できるといわれています。
ツボには、大きく分けて「経絡ツボ」と「反射区ツボ」の2種類があります。経絡ツボは、全身に張り巡らされた経絡(エネルギーの通り道)の上に位置するツボで、さまざまな臓器や器官に働きかけることができます。反射区ツボは、体の部位や器官に対応する部分に位置するツボで、その部位や器官の不調を改善する効果があるといわれています。
ツボには、さまざまな効能があるといわれています。例えば、
- 肩こりや腰痛などの痛みを和らげる
- 冷えやむくみを改善する
- ストレスを解消する
- 集中力を高める
- 睡眠の質を改善する
などが挙げられます。
ツボは、誰でも簡単に押すことができます。しかし、ツボの位置や押し方によっては、逆効果になることもあります。そのため、ツボを押すときは、正しい位置や押し方を覚えておくことが大切です。
このページでは、ツボの効能や押す方法などについて、さまざまな雑学を紹介していきます。ツボに興味のある方は、ぜひ最後までご覧ください。
漫画に登場する必殺ツボの秘密に迫る!
ツボ押しは、私たちの身体に張り巡らされている経絡(けいらく)にあるツボを刺激することで、健康維持や病気の予防・治療に役立つといわれています。しかし、ツボには、漫画の世界では命を奪うほどの威力を持つものも存在します。
その代表的なものが、1970年代の人気漫画『空手バカ一代』に登場する「三年殺し」です。この技は、肝臓と脾臓の急所を拳で突くことで、その部位がじわじわと悪化して三年後に死に至るというものです。
この「三年殺し」は、実在する空手家のマス大山こと大山倍達をモデルにしており、当時は子どもたちの間で流行語にもなりました。しかし、大山倍達本人は、そのような技は使っていなかったそうで、あくまでも漫画の中の架空の技です。
また、1980年代に一世を風靡した人気漫画『北斗の拳』にも、「経絡秘孔(けいらくひこう)」と呼ばれる急所のツボ(秘孔)がたくさん登場します。例えば、
- 「瞳明(どうめい)」は眼球を裏返させて敵の視力を完全に奪うツボ
- 「健明(けんめい)」は逆に失った視力を回復させるツボ
- 「忘神(ぼうしん)」は記憶を回復させるツボ
- 「新一(しんいち)」は敵に白状させるツボ
- 「人中極(じんちゅうきょく)」は突くと三秒後に敵が死ぬ最強のツボ
など、どれも驚きのツボがめじろ押しです。もちろん全て架空のツボですが、漫画の世界でもツボの奥深さを垣間見ることができます。
では、なぜ漫画ではツボを突くことで、命を奪うような効果が描かれるのでしょうか。その理由は、ツボが私たちの身体に大きな影響を与える場所にあるためと考えられます。ツボには、経絡を通じて全身の臓器や器官とつながっており、そこに刺激を与えることで、さまざまな生理的な変化を引き起こすことができるからです。
例えば、肝臓は血液を浄化する働きを持つ臓器ですが、肝臓のツボを刺激することで、血液の流れを良くしたり、肝臓の働きを活発化させたりすることができます。また、脾臓は消化吸収や免疫機能の働きを持つ臓器ですが、脾臓のツボを刺激することで、消化吸収を促進したり、免疫力を高めたりすることができます。
このように、ツボは私たちの身体の健康維持や病気の予防・治療に役立つ可能性を秘めています。しかし、漫画の世界のように、ツボを突くことで命を奪うようなことは、現実には起こり得ません。
ツボ押しは、正しい方法で行うことで、健康に役立つ効果が期待できます。しかし、自己判断でツボ押しを行うと、思わぬトラブルを招く可能性もあります。ツボ押しを行う際には、必ず専門家に相談するようにしましょう。
人体以外でのさまざまなツボ
ツボとは、鍼灸において、刺激を与えることで、さまざまな効果が期待できるとされる部位のことです。しかし、ツボという言葉は、鍼灸以外でも、さまざまな意味で使われます。
例えば、「ツボを押さえる」という言葉は、物事の要所や勘所を押さえて、うまく物事を進めることを意味します。また、「ツボを外す」という言葉は、物事の要所や勘所からずれて、うまく物事が進まないことを意味します。
「ツボにはまる」という言葉は、勘所が刺激されて、思わず笑ったり、感動したりするような、感情に訴えるものを指します。例えば、冗談やギャグが「ツボにはまる」と、思わず笑ってしまうことがあります。
しかし、はまるのが「ドツボ」となると、話は別です。ドツボは、関西圏で「肥だめ」のことを指します。そのため、「ドツボにはまる」という言葉は、最悪の状況に陥ることを意味します。例えば、仕事でミスを連発して、窮地に追い込まれることを「ドツボにはまる」ということがあります。
「思うツボ」という言葉も、ツボという言葉の使い方としてよく知られています。しかし、この場合の「ツボ」は、鍼灸のツボとは全く別のものです。ここでの「ツボ」は、サイコロの目を当てる賭けごとで使われた「壺」のことを指します。壺振り師が自分の思い通りの目を出すことを「思うツボ」というようになりました。
このように、ツボという言葉は、さまざまな意味で使われます。その意味を理解することで、より豊かな表現を身につけることができるでしょう。
ツボ名の由来!?
鍼灸のツボには、それぞれ独特の名前が付けられています。これらの名前には、ツボの位置や効能、由来など、さまざまな意味が込められています。
例えば、今回のメンタルツボ特集で紹介した「期門(きもん)」は、正経十二経脈と呼ばれるツボが連なるラインの終点に位置することから、「一周を意味する「期」と門戸を意味する「門」の字があてられた」といわれています。
また、肩こりや頭痛などに効くといわれる万能ツボのひとつ「合谷(ごうこく)」は、手の親指と人差し指が合う谷間にあることから、「谷間」を意味する「谷」と「合する」を意味する「合」の字があてられました。
さらに、頭頂部付近にある万能ツボの「百会(ひゃくえ)」は、複数の経絡が一堂に会するところにあることから、「100」を意味する「百」と「会合する」を意味する「会」の字があてられました。
このように、ツボ名の由来を知ることで、ツボの位置や効能をよりイメージしやすくなります。
例えば、足の付け根にある「三陰交(さんいんこう)」は、陰のエネルギーが集まるところにあることから、「三つの陰」を意味する「三」と「交わる」を意味する「交」の字があてられました。
また、胃の働きを整えるツボのひとつ「足三里(あしさんり)」は、膝下から1寸(約3cm)下に位置することから、「里」と「3」の字をあてられました。
さらに、便秘や下痢などの消化器系のトラブルに効くといわれるツボの「大腸兪(だいちょうゆ)」は、大腸の兪穴(ツボ)であることから、「大腸」と「兪穴」の字があてられました。
このように、ツボ名の由来を知ることで、ツボの位置や効能をより深く理解することができます。鍼灸のツボを学ぶ際には、ぜひツボ名の由来にも注目してみてください。