「動悸」の原因は心臓の病気だけではありません。
ストレスやホルモン異常、自律神経の乱れなど、さまざまな要因が動悸を引き起こす可能性があります。
動悸が続く場合は、早めに医療機関を受診して、原因を調べることが大切です。
動悸とは?
動悸とは、心臓の拍動を普段よりも強く感じたり、速く感じたりする症状のことを指します。心臓の「ドキドキ」を強く、速く感じる状態です。動悸の原因はさまざまで、心臓病や甲状腺疾患、精神疾患などが挙げられます。
動悸の症状
動悸の症状は、主に以下のとおりです。
- 心臓の拍動が速い(頻脈)
- 心臓の拍動が遅い(徐脈)
- 心臓の拍動が規則的ではない(不整脈)
- 心臓の拍動が強く感じる(期外収縮)
動悸の症状は、運動や緊張などの一時的な原因で起こることもあります。しかし、心臓病や甲状腺疾患などの病気が原因で起こる動悸は、長時間続いたり、繰り返し起こったりすることがあります。
甲状腺疾患とは?
甲状腺疾患とは、甲状腺の働きが異常になることで起こる病気の総称です。甲状腺は、首の前にある蝶形の臓器で、甲状腺ホルモンを分泌しています。甲状腺ホルモンは、新陳代謝を活発にする働きがあり、体温調節や体重管理、筋力維持、骨の健康、脳の機能など、さまざまな体の機能を正常に保つために欠かせないホルモンです。
甲状腺疾患には、甲状腺ホルモンの分泌が過剰になる甲状腺機能亢進症と、甲状腺ホルモンの分泌が不足する甲状腺機能低下症の2つがあります。
新陳代謝とは?
新陳代謝とは、体内にある古いものが新しいものに置き換わることです。細胞の入れ替わりや、体内の老廃物の排出などが含まれます。
新陳代謝は、生命維持に不可欠なプロセスです。細胞の入れ替わりによって、体の機能を維持し、老化を防ぐことができます。また、老廃物の排出によって、体内を健康な状態に保つことができます。
新陳代謝は、以下の3つの要素によって成り立っています。
- 基礎代謝:安静にしている状態でのエネルギー消費量
- 活動代謝:活動によって消費されるエネルギー量
- 増加代謝:体温を維持するために消費されるエネルギー量
基礎代謝は、体格や筋肉量、年齢、性別などによって決まります。活動代謝は、運動量や筋肉量によって決まります。増加代謝は、体温を維持するために消費されるエネルギー量で、体温が1℃上昇すると約13kcalのエネルギーを消費します。
新陳代謝を活性化するには、以下のことに気をつけましょう。
- 適度な運動をする
- バランスの良い食事を摂る
- 十分な睡眠をとる
- ストレスを溜めない
適度な運動は、筋肉量を増やし、基礎代謝を高めるのに効果的です。バランスの良い食事は、栄養バランスを整え、新陳代謝を促進するのに役立ちます。十分な睡眠は、成長ホルモンの分泌を促し、細胞の修復を助けます。ストレスは、新陳代謝を抑制する原因になります。
新陳代謝を活性化することで、健康的な体づくり、美容、ダイエットなどに効果が期待できます。
動悸の原因
動悸の原因は、以下のとおりです。
心臓病
- 狭心症
- 心筋梗塞
- 心不全
- 不整脈
甲状腺疾患
- 甲状腺機能亢進症
- 甲状腺機能低下症
神疾患
- 不安障害
- パニック障害
- うつ病

薬の副作用
- 血圧降下薬
- 抗うつ薬
- 抗不安薬
- 甲状腺ホルモン剤
- カフェインやアルコールの摂取
- コーヒーや紅茶の摂取
- タバコの喫煙
- 過度の運動
- ストレス
動悸の検査
動悸の原因を調べるために、以下の検査が行われることがあります。
- 心電図
- 心臓の電気的な活動を記録する検査
- ホルター心電図
- 24時間にわたって心電図を記録する検査
- エコー検査
- 超音波を用いて心臓の形や動きを調べる検査
- 血液検査
- 甲状腺ホルモンや心臓の機能を調べる検査
動悸の治療
動悸の治療は、原因によって異なります。
- 心臓病
- 狭心症や心筋梗塞などの原因となっている病気の治療を行う
- 不整脈の治療を行う
- 甲状腺疾患
- 甲状腺機能亢進症の場合は、甲状腺ホルモンの分泌を抑える薬を服用する
- 甲状腺機能低下症の場合は、甲状腺ホルモン剤を補充する
- 精神疾患
- 不安障害やパニック障害などの治療を行う
- 薬の副作用
- 原因となっている薬の量を減らす、または別の薬に変更する
- その他の原因
- 生活習慣の改善を行う
動悸の予防
動悸の予防には、以下のことに気をつけましょう。
健康的な生活習慣を心がける
- 健康的な生活習慣を心がける
- バランスのよい食事を摂る
- 適度な運動をする
- 十分な睡眠をとる
- 禁煙する
- 適度なストレス解消を行う
まとめ
動悸は、心臓の病気や甲状腺疾患、精神疾患などの病気が原因で起こることがあります。動悸が続く場合は、早めに医療機関を受診して原因を調べ、適切な治療を受けましょう。
動悸の注意点
動悸が起こったときは、以下のことに注意しましょう。
- 無理をしない
- 動悸が起こったら、無理をせずに休みましょう。
- 深呼吸をする
- 深呼吸をすることで、心拍数が落ち着くことがあります。
- 冷静になる
- 動悸で不安になったときは、深呼吸をしたり、好きな音楽を聴いたりして、気持ちを落ち着かせましょう。
動悸が起こったときに、胸の痛みや呼吸困難などの症状がある場合は、すぐに救急車を呼びましょう。